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ミレーナについて

<ミレーナ挿入に関しての注意点>

【挿入対象者】

・経腟分娩経験者

【挿入対象外】

・未産婦 ・帝王切開のみの方 ・授乳中の方

 

【ミレーナの交換をご希望の方へ】

【ミレーナの抜去・子宮体癌検査・再挿入が同日にはできなくなりました。】

詳しくはこちらをご確認ください。

 

ミレーナの挿入に関して下記の点にご注意ください。

1:ミレーナ挿入は月経第4日から第7日までの月経中に行います。
 
2:ミレーナ挿入前に検査が必要です。

 A:月経の1週間ほど前、排卵期の子宮頚管粘液(水あめのような帯下)が収まってから
 子宮頸がん検査、膣分泌物培養検査2種類を行います。頸管粘液が多く分泌されている時期には検査を行いません。

 B:月経開始後、月経第4日から第7日ごろまでの月経中に子宮体癌の検査を行います。

3:上記の検査がすべて問題なく、超音波検査も問題なく、ミレーナ挿入の適応がある場合に、次の月経第4日から第7日までの月経中に行います。
月経血の量が減少している場合は第3日目も可能な場合がありますが、第8日以降は挿入しません。

4:培養検査などで異常がある場合は治療を行ってからの挿入となります。

5:従いまして、来院から2回目の月経中に挿入しますので、挿入には、最短で3回の受診、 6週間以上の日数が必要となります。

なお挿入後は(1週間後)、1ヶ月後または3ヶ月後、6ヶ月後に受診が必要で、その後は6ヶ月毎に受診して頂いています。

6:挿入困難な場合はラミケンR(子宮頸管拡張器)の前処置が必要な場合があります。

  ラミケンRを挿入後に、ミレーナが挿入できるようになるまでに3-4時間以上必要です。

  従って、ミレーナ挿入のご予約は月・水・金の午前診でお願いします。

  実際のミレーナ挿入は午前診の一番最後、または午後診になります。

  挿入後に気分不良が生じることがあります。ミレーナ挿入後は院内での安静が必要です。

  挿入後に予定を入れることはお控えください。

  お時間のご相談などは受付までお声掛けください。 

7:授乳中の方は、月経が再開していても本来の月経とは異なることがあるため、

 ミレーナが脱出する可能性が増えますので授乳が終了してからの挿入をお勧めしています。


以上、上記のことをご了解いただいたうえで受診をお願いします。

医)産科・婦人科 みずとりクリニック水鳥 真和

 

ミレーナについて

<どんな人にお勧めですか?>

経腟分娩をご経験された方で、

・月経痛がつらくて困る方、

・月経の痛みが増してきている方、

・月経の量が増えてきた方、

・月経前に調子が悪くて困る方、

・不正性器出血がある方、

・避妊が心配な方、

など、お困りの方に「ミレーナ」をお勧めします。

 

<ミレーナとは?>

「ミレーナ」はレボノルゲストレルという女性ホルモン(黄体ホルモン)が5年間、体の中で続けて維持されるようにした薬剤徐放システムです。

4年前に厚労省が過多月経、月経困難症の治療法として保険適応を認めた、保険診療としては比較的新しい治療法ですが、ミレーナそのものは1990年にフィンランドで開発され、日本では避妊用として2007年から自費で採用されていました。

 

<効果は?>

10人中3人の方が無月経になります。ただ、排卵はしており、受精もしますが、子宮に受精卵が着床しないので妊娠は回避され、避妊となります。ただ、もしもお子さんを望まれるようになった場合は一瞬で抜去できます。

残りの10人中7人の方もミレーナを使用する前の月経の苦痛度を10とした場合、ほとんどの人が2~3に軽減します。10 → 5 という方は珍しいのが実状です。ナプキン代も激減します。

 

 

 

 

<費用は?>

避妊の適応も正式に認められており、そちらは自費診療で約3万円、5年間有効です。

過多月経、月経困難症では健康保険の適応となり、お薬代は3割負担ですので、5年間で約1万円となります。

経口ホルモン剤(いわゆる低用量ピル)ですと、どんなに安くても5年間で15万円はお薬代だけでかかってしまいますし、毎日できるだけ一定の時間に薬を飲まないといけません。しかも最近の低用量ピルは効果が出るところまでぎりぎり薬の量を低くおさえてありますので、2日も飲み忘れると不正性器出血がおこりますし、胃腸の調子が悪くて嘔吐などが続いた場合も不正性器出血がおこってしまいますが、そのようなことはミレーナにはありません。

 

<実際の受診は?>

○当院外来の「婦人科」で予約をお取りください。

○当日は尿検査提出、血圧測定、体重測定とミレーナの問診票を提出して頂いたら、別記の通りの検査を行います。

子宮の出口を通して体癌検査やミレーナの挿入をする場合に若干の痛みがありますが、そこはいろいろなコツがありますので、その場でお伝えし、できるだけ苦痛が少なくなるようにしています。

出産経験がなくても、帝王切開術の経験のみの方でも、もう少し工夫を追加すればそれほど苦痛なく挿入はできるかと思います。診察室でご相談ください。

 

<副作用などは?>

ミレーナを装着して最初の2~3か月程度は不正性器出血が続くことがあります。もっとも出血といっても茶色で少量のため、おりものシートで対応できる場合が多くあります。少量の赤い出血が続くこともあります。もしも、通常の月経のように塊も混じって続くときはミレーナがずれているかもしれませんので受診してください。およそ6%(17人に1人)に起こります。その場合も対処法があります。万一、入れなおさないといけない場合も2回目までは保険適応となります。

あと、これは作用でもありますが、ミレーナ使用中は妊娠は成立しません。

 

<今まであまり聞いたことがありませんが?>

ミレーナとは?のところでもお伝えしましたが、健康保険で認められてから4年弱であるのと、それ以前は自費のみで8万円程度していたのであまり広がらなかったことが理由としてあると思います。

あと、出産未経験の方が主体のオフィス街の婦人科はピルが主体となるので、あまりミレーナの話はされないと思いますが、当院はお産をされる方も多く来られているので、出産経験者にはこちらの方が適していると思います。

 

<更年期障害には?>

更年期障害(ホットフラッシュ、発汗、睡眠障害など)はもう一方の女性ホルモンである、卵胞ホルモン(エストロゲン)の不足によってもたらされます。ただ、子宮がある人にエストロゲンの薬剤だけを投与すると、子宮体がんが発生する恐れが高まりますので、予防的に黄体ホルモンを補充しないといけないのですが、今の日本では予防的黄体ホルモン剤に保険は適応されず、随分、患者さんにご迷惑をかけることになります。

ミレーナをそうなる前から使用しておき、更年期の症状が出てきた場合に、エストロゲンの塗り薬を腕に塗ることが推奨されます。

エストロゲンとプロゲステロンの合剤を内服し、肝臓を通すことによって、更年期障害の治療の場合、副作用が多々出る可能性が指摘されていますので、ミレーナの使用によってそれが回避されると考えられています。

 

<他には?>

乳がん治療後にエストロゲンを抑えるためにタモキシフェンを内服することが多くありますが、その合併症である、子宮内膜増殖症、子宮体がんの発症を抑える可能性が海外では検討されています。日本では現段階では使用できませんが、十分可能性があると思います。

 

<最後に>

三十数年産婦人科診療に携わっておりますが、①経腟超音波による子宮頸管長測定を使用した切迫早産管理、②子宮頸がんワクチン、そしてこの③ミレーナは産婦人科医療の三大「革命」だと感じています。出産経験のある方はピルなど飲んでいる場合ではなく、是非、ミレーナを試してみられるべきだと思います。うまくゆかなければ2秒もあれば取り除けます。

強くミレーナをお勧めしたいと思います。

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